許されぬ恋、道ならぬ恋、禁断の恋、さまざまな呼ばれ方がある「不倫」。
「不倫」は、理性ではわかっていても止められない欲望をぶつけ合う男女を、ロマンティックに描き出すオトナな題材です。
通常ならば非常識である不貞行為を通して、生き方や夫婦のあり方、そして愛を問いかけます。
今回は、美しく描かれた純愛から悲劇まで、“不倫の恋愛”がテーマの映画作品を集めました。
華やかなオスカー女優が、退屈な日常を送る貴族夫人や平凡な主婦を演じ、そして運命の恋の沼に転がり落ちていく様子を、一緒にドキドキハラハラ楽しみませんか?
アンナ・カレーニナ
1870年代のロシアが舞台です。政府高官の妻アンナ・カレーニナは、美しく華やかな女性でした。ひとり息子を産み、何も不満なく暮らしていた彼女でしたが、しある日、青年将校ヴロンスキーと出会ってしまいます。
彼はアンナに情熱的に迫り、アンナも次第に惹かれていくのですが…。全世界で読まれた、本物の愛とは何かを問いかけるトルストイの長編名作小説を「プライドと偏見 」「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 」のジョー・ライト監督が実写化しました。アンナ役は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズや「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」のキーラ・ナイトレイです。
ボヴァリー夫人
19世紀半ば、フランスの小さな田舎町で、夢見がちな少女エマは年上の医者ボヴァリーと結婚生活をはじめます。
憧れていた新婚生活でしたが、現実はとても退屈な毎日を送ることになります。
愛のない生活に嫌気が差した彼女は、次第に周りの男性たちと不倫に溺れ、浪費を重ねていくようになります…。フランスの文豪ギュスターブ・フローベールの名作を「アリス・イン・ワンダーランド」「クリムゾン・ピーク」のミア・ワシコウスカを主演に迎えて実写化したものです。
共演者に「ファンタスティック・ビースト」シリーズ「ジャスティス・リーグ」のエズラ・ミラー、「アメイジング・スパイダーマン」「ノッティングヒルの恋人」のリス・エヴァンスが居ます。
つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語
ツヤという名前の女性が、病気でこん睡状態に陥りました。
そこで夫である松生は、ツヤの人生に関わった男たちに、その事実を知らせていく奇行をはじめます。告げられた男たちとその妻や愛人、子供たちは、突然現れたツヤという存在に困惑していきます。
主演は「テルマエ・ロマエ」シリーズの阿部寛ほか、小泉今日子、大竹しのぶ、真木よう子など豪華キャスト。直木賞受賞作家・井上荒野の「つやのよる」を、「世界の中心で、愛をさけぶ」の行定勲監督が実写映画化した作品です
リトル・チルドレン
アメリカ・ボストンの郊外、専業主婦・サラは夫とうまくいっていませんでした。公園で子供を遊ばせていると、近所に住んでいる主夫の青年と知り合います。
ふたりはとあるきっかけで急速に仲が深まり、不倫がはじまり…。主婦と主夫、そして元性犯罪者、元警官という孤独を抱えた大人になりきれない大人たちの日常をつづっている群像劇です。
トム・ペロッタの全米ベストセラー小説を実写映画化しています。「タイタニック」「愛を読むひと」のオスカー女優のケイト・ウィンスレットがゲーム感覚で不倫し、泥沼にはまる主婦を熱演しています。
チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛
デボラ・モガーの大ベストセラー小説「チューリップ熱」をフェルメールの絵画のような美しさの世界で実写映画化。
世界最古の経済バブルである“チューリップバブル”が起こる17世紀のオランダを背景に、子供が出来ないことに悩む裕福な商人の若き後妻と、無名の青年画家の不倫愛を丹念に描いています。主演は「リリーのすべて」「トゥームレイダー ファースト・ミッション」のアリシア・ヴィキャンデル、「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」「ディーン、君がいた瞬間」のデイン・デハーンです。
赤いアモーレ
事故を起こした娘が、自らの勤める病院に搬送されてきます。
外科医である父のティモは動揺し、過去の罪を独白します。彼は過去、貧民街に住む貧しい女と不倫をしていたのです。
不倫相手であるヒロインは「ボルベール〈帰郷〉」「それでも恋するバルセロナ」のペネロペ・クルス、「マーサの幸せレシピ」「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子のつのぶえ」などで俳優としても知られているセルジオ・カステリットは作品の監督と主演の外科医も務めています。
ふたりはイタリアのアカデミー賞と言われるドナテッロ賞の主演男優賞と主演女優賞を受賞しました。
今回はどれも原作があるものを選びました。なかには約150年前に発表された長編小説もあります。不倫という行為をあからさまにえがいた書籍は、とてもセンセーショナルだったのではないでしょうか。
今も時代を超えて映像作品として何度も新鮮に生まれ変わり続けています。
なにより今も昔も、恋愛に刺激を求める男女は多く、きっとこの題材の作品はこれからも生み出され続けるでしょう。
私たちは火遊びはせず、作品を見ることでその欲を満たしましょう。決して、主人公たちの真似をしてはいけませんよ!